2007年05月07日

No.25【(決定版)仕事は楽しいかね?─会社の宝になる方法】デイル・ドーテン[著]

 「『ほら、『我が社の一番大切な財産は社員です』というやつさ。それは真理なんだが、いかにも嘘っぽく聞こえるよね。
 不幸なことに、そのセリフが嘘っぽく聞こえるのはほとんどの社員を一度に取り替えたって会社には全く影響しないって、みんなが知っているからだ。でも、ここで大事なのは、“ほとんどの”という部分だよ。社員全員じゃなくて、ほとんどの社員だ。

 良い会社には、ごく少数ながら、特別な人々がいる。

 彼らは自分の働く会社が、顧客にとっても従業員にとっても、特別な会社となるように力を尽くしているんだ。・・・(中略)・・・

 そうした一握りの特別な人々が、会社を特別にしているんだ。もちろん、その会社の製品を一味違うものにする、独自の製法や方式もあるだろう。だけどそうしたアイデアも、元をただせば一握りの特別な人々から生み出されたんだよ。そういう人々はただ特別なだけじゃない。彼らの特別さは人に伝染する。周りの人まで巻き込まずにはおかないんだ。』」



 今回ご紹介させていただくのは、「<決定版>仕事は楽しいかね?─会社の宝になる方法」です。この本はシリーズになっており、1作目は2001年に、2作目は2002年に、そして今回の3作目が<決定版>として出版されました。本作も含め3作ともビジネスの天才“マックス・エルモア”という老人が若いビジネスマンに講義をする、という会話形式で物語が進んでいきます。

 この3作目「<決定版>仕事は楽しいかね?─会社の宝になる方法」では、副題のとおり、会社の宝になる方法について語られます。著者の意図することは、本書の冒頭、“はじめに”の中で次のように語られています。

 「仕事に就くときは、他人と差をつけよう、特別な存在になろう、能力を発揮して認められよう、と誰しも固く心に誓う。だが、その熱意はシェークスピアの言葉を借りれば『容赦ない時の荒波に揉まれ』、次第に磨り減っていく。必死に働き、職場に溶け込む。そのどこかで私たちは、自分に宝の資質が備わっていることを忘れてしまう。
 だからこそ、この本で皆さんにも一緒に、優れた上司や部下や納入業者や顧客の素晴らしさに気づいてほしい。そして彼らから学ぶだけでなく、最高の自分とはどんな人間だったか、思い出してほしい。」

 物語は、マックスの甥がガールフレンドの抱える仕事の悩みを解決するために、マックスに引き合わせるところから始まります。ガールフレンドのアンジェリーナが、大企業に勤める高校時代の友人の“異例の大抜擢”を知り、自分がそんな経験をしたことがないという事実を思い知らされ落ち込んでいることをマックスに打ち明けると、マックスはある目標を彼女に与えます。

「・・・あるビジネスマンの最高の名言を思い出したよ。そのビジネスマンとは、ポルシェ社の元CEO、ピーター・シュッツだ。彼はある仕事仲間との関係をこう表現している。

 その人と一緒にいるときの自分がいちばん好きだ。

 そんな人こそ、私たちが探すものだよ。単に有能なだけではない人物。みんなに感心されるような人じゃなく、みんなを向上させ、向上させる喜びを与えてくれる人だ。
 そんなことは、どんな職業の範囲にも入っていない。だから、一生懸命努力したり、利口に立ち回ったり、完璧な仕事をしたりするだけでは、そんな人物になれないんだよ。

 私たちが探すのは、仕事を特別にしてくれる人々だ。それが完璧以上に素晴らしい社員であり、会社の宝なんだよ。そしてそれはきみたち二人のゴールでもある。きみたち自身が、会社の宝になるんだ。」

 この後、マックスの講義が本格的に始まり、多くの示唆にとんだビジネスの事例が語られていきます。私が大事だと感じた本書の中のキーワード、文章を以下に転記します。

 「常識という曲者が、私たちを凡庸の罠に陥れるんだ。」

 「目指すべきは、非常識な行動なんだ。」

 「論理に頼っていては、よく知っている道しか通れないんだよ。他の人に聞いたところで、相手も同じことをするだけ。
 そこで問題は、どうすれば飛躍できるかだ。後から考えてみると最高のアイディアへ。いつもの道を通っていたのでは決して気づかないアイディアへ。」

 「最高の社員になるつもりなら、待っていないでとにかく実行する人間、周りのレベルを引き上げる人間になる覚悟がいる。」

 「分別のある人間には、何も成し遂げられない。」

 「いい計画を思いついたときは、立ち止まってはいけない。いい計画を思いついたことを喜び、それをいったん脇に置いて自問するんだ。『これをどれだけ素晴らしくできるだろう?』って。それが、具体的な計画を見つけた自分に対するごほうびなんだ。そうすれば、飛躍するチャンスはおのずから訪れる。分かるかい?」

 「聡明な人間は決してうぬぼれない。鋭い眼識を持つがゆえに、謙虚になるんだ。そしてそれが、最高の人材ほど、答えよりも質問を多く持っている理由であり、頭脳のネットワークを持っている理由なんだ。」

 「誰が知っているか分かっていれば、自分が知っているのと同じだ。」

 「顧客のために、どうすればもっと良くできるだろう?と問いかけることで、状況を良くするチャンスがある。」

 「誰かが『完璧だ』と言うやいなや、頭脳の働きはシャットダウンされてしまうんだ。“完璧”という言葉は創造性をオフにするスイッチだよ」

 「最初の解決策は人からの借り物、二つ目の解決策は常識の範囲内。三つ目の解決策が天才のアイディアだ。」

 「人間の深みとは、どれだけ深く周りの人について学ぶか。ということです。」

 「最高の社員が人とは違う考え方をするのは、人より多くのことを知っているから。彼らが人より多くのことを知っているのは、人より多くの質問をするからだ。」

 「ぜひ試してみてほしい。まずは何か“完璧な”ものを見つけ、それをより良くすることから始めるのだ。」

 これらの言葉は、本書の中でマックス他3人の会話の中で無理なく理解が進むよう語られていきます。一つ一つ解説できないのは残念ですが、これらの短い言葉を追うだけでも、著者が本書で何をいいたいのかが分かってくるような骨格を成す部分を抽出したつもりです。

 また、「試してみることに失敗はない。」という言葉は、シリーズ3冊に共通してでてきており、著者の主張を理解するうえで欠かせない重要なキーワードです。その言葉の意味は、第1作目でマックスの口から次のように語られています。

「何かをやってみて、それがろくでもないアイデアだとわかったとき、きみはもとの場所に戻ることは絶対にない。必ず、何かを学ぶからだ。」

 余談ですが、私は第1作目を読んだとき、それまで読んだ自己啓発書やビジネス書のセオリーからまったく外れた予想外の著者の(マックスの?)主張に目からウロコがかなり落ちました。もしこのシリーズに興味がありましたら1作目から読むことをオススメします。「試してみることに失敗はない。」という言葉がきっと好きになるハズ。結構前に出版された本のため、ブッ○オフの100円コーナーにおいてあることもアリ。まずは古本からあたりましょう。

 最後に、「仕事は楽しいかね?」という題名ですが、1作目のなかで吹雪のため空港に足止めされた主人公とマックスが出会い、いくつか言葉を交わす中で突然マックスが主人公に投げかけた質問からきています。あなたがこの質問を突然投げかけられたら、どのように答えますか?もし表情が曇ってしまうようなら、マックスの講義を受けるのが良いかもしれませんね。
posted by T.Sasaki at 06:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | ■キャリアを築く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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