2007年06月18日

No.31【セルフ・コーチング入門】 本間 正人・松瀬理保[著]

「『こんなことができたらいいなあ』といった漠然とした思いを、『目標をなんとしても達成したい』『成果を絶対に手に入れたい』という心理状態へと変化させるためには、次の三つの問いかけをするとよいでしょう。
1.「達成することに、あなた自身は、どんな意味を見出していますか?」
2.「達成することは、周りの人々にとってどんな意味があるのですか?」
3.「達成することは、社会にとってどんな意味・価値があるのですか?」
 そして、その際に自分の心の声を聞き届けることです。「腑に落ちる」という表現がありますが、心のそこから「よし、やるぞ!」という『想い』が湧いてくるかどうかを確認する時間を持ちたいものです。」

セルフ・コーチング入門
セルフ・コーチング入門
本間 正人,松瀬 理保


 今回ご紹介する書籍は【セルフ・コーチング入門】です。コーチングという考え方は広く知られるようになりましたが、実際にコーチを雇う人はまだ少ないかもしれません。著者は本書のはじめにセルフ・コーチングを「自らの自発性によって、問題を解決し、目標を達成していくための心内対話」と定義しています。

 現実の世界で次々と起こる問題を解決していく必要性、「なりたい自分」になるための目標を達成したいという欲求は誰もがもっています。しかしそうしたことについて実際に使える効果的な知識・方法を習得している人はどれだけいるでしょうか。私の例でいえば、しょっちゅう迷い、同じところをいったりきたり・・といったことをよく繰り返しています。もし同じような経験のある方は、今回紹介する書籍からセルフ・コーチングの知識をいっしょに学んでいきましょう。

 まず著者は、コーチングとセルフ・コーチングの違いを、メリット、デメリットにわけて説明しています。メリットとしては、いつでもどこでもできること、自分のことは自分が一番よくしっていることなどをあげており、デメリットとしては、目標設定が甘くなりすぎる、厳しくなりすぎる、質問が自分の発想の枠を出にくい、ペースメイキングが難しい、などを上げています。これらの長所・短所を理解することにより、セルフ・コーチングをさらに効果的に活用していけるようになると思います。

 最初の定義で「心内対話」という言葉が出来てきましたが、その対話を自分とするための質問として、著者は本書の中で、汎用性が高く効果的な問いかけをユニバーサル・クエスチョンズ(UQ)と呼び、いくつかの例を挙げています。その質問の例を以下に転記いたしました。

「 <UQのリスト>
・実現したいことは何ですか?
・自分のやりたいことをはっきりさせると?
・それが実現したら、どんな状況になりますか?
・過去からリソースを探してみましょう
・これまでに一番うまくいった方法は?
・その体験から何を学んだのですか?
・前向きにとらえると?
・自分の特徴、強みを見つめ直してみましょう
・強みを10個リストアップしましょう
・他の人からは何と言われますか?
・目標を設定しましょう
・その目標は実現可能ですか?
・具体的に言うと?
・今、何ができますか?
・選択肢を増やしましょう
・できることを3つあげると?
・まだためしたことのない方法は?
・他には?
・どこから行動に移しますか?
・いつやりますか?
・実際にやってみて、どんなことを感じましたか?
・次回はどうしますか?」

 これらの質問を見てみると、問題に直面していたり、停滞している状況を打開したいと考えているときなどに、前向きで生産的な考えが浮かんできそうな良質な質問であることがわかります。

 また著者はセルフ・コーチングを阻害する五つの代表的なパターンを、「思案の罠」と呼び、それぞれに「〜回路」と名づけています。以下は項目のみを抜き出して転記したものです。

1.なぜなぜ回路
2.ぐちぐち回路
3.心配回路
4.憶測回路
5.散漫回路

 ちなみに私はよく、1.のなぜなぜ回路と、5.の散漫回路に入り込むことがよくあります。なぜなぜ回路とは、著者の説明によると、「どうしてこんなことになってしまったんだろう?」など、周囲のマイナス要素ばかりに目が向いてしまう思考回路のことで、このような答えのない問いは自分を暗い気持ちにしてしまうとのこと。

 また5.の散漫回路とは、その名称のとおり、考えている途中に意識が他に向かい、「プロ野球の結果、どっちが勝っただろう?」など関係のないことに心を奪われて本筋からそれてしまう状態のこと。自分の集中力のなさにあきれるばかりですが、これらの回路に入ってしまったときの対処について著者は次のように語っています。

「1人で考えていると、こうした回路にはまることは、よくあることです。しかも、入るまい、入るまい、と思うと、かえってそこにずっぽりはまってしまいます。
 では、どうしたらよいかというと、セルフ・コーチングをやっている時に、『あ、〜回路に入ったな』と気づいたら、その回路にはまった自分を上空から見おろすようなイメージを脳裏に描き、そこから出てくる状況を映像化することです。
 こうした回路に絶対に入らない人などめったにいませんから、時々入ることは覚悟した上で、『入ったこと』に気づいたら、速やかに抜け出して、次の建設的な質問を自分に問うことが大切です。」

 こうしたセルフ・コーチングの能力を高める最高の方法として著者は、「プロのコーチを雇って、コーチングを受けること」を薦めています。実際にプロのコーチを受けることにより、セルフ・コーチングのレパートリーが広がるそうです。

 本書の第3章、「セルフ・コーチングのアプローチ」として、著者は「WISDOMモデル」というものを提唱しています。「WISDOMモデル」とは、以下の6つからなるセルフ・コーチングのアプローチです。(書籍より転記)

 (1)Will        (志を立てる)
 (2)Image      (成功のイメージを描く)
 (3)Source     (エネルギー源を探す)
 (4)Drive Map   (成功までの地図を描く)
 (5)Operation   (行動に移す)
 (6)Maintenance (習慣化への努力)

 この第3章で学んだアプローチを、具体的にイメージしやすく説明したケーススタディが第4章に掲載されており、実際のセルフ・コーチングがどのように行われるのかをみることができます。登場人物や状況の設定がとても共感しやすく親近感を持てるような内容なので、楽しみながら読むことができます。興味のある方はぜひ本書を手に取り、実際にセルフ・コーチングを行う際の参考にしましょう。

 著者はセルフ・コーチングを一言であわらすと、「心の中にコーチを持つこと」と語っています。心の中のもう1人の自分を優秀なコーチに育てることができれば、非常に心強いですね。

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posted by T.Sasaki at 17:45| 東京 ☀| Comment(0) | ■自己啓発ならこの本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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