2007年03月21日

No.23【最強集団 ホットグループ 奇跡の法則】ジーン・リップマンブルーメン、ハロルド・J・レヴィット[著]

「本書は、ハウツーではないが実用的な知見を提供しようとするものである。
ホットグループは、いかなるリーダーを必要とするか。リーダーたる者は内外のいかなる危険信号に注意すべきか。ホットグループに特有の自由な仕事の進め方を親組織に特有の管理システムといかにして融合させるか。ホットグループが熱くなりすぎたとき、どのようなことが起こるか。
 組織において、いかにしてホットグループの種を蒔き、育て、活躍させるか。ホットグループを根付かせるうえで、既存の組織の文化や価値観にいかなる変化が必要か。
 さらに重要なこととして、ホットグループの一員であることは個人にとっていかなる意味を持つか。あるいはいかなるリスクと価値が見込まれるか。
 本書はこれらの問いに答えようとするものである。」

最強集団ホットグループ奇跡の法則―成果を挙げる「燃えるやつら」の育て方
最強集団ホットグループ奇跡の法則―成果を挙げる「燃えるやつら」の育て方
ジーン・リップマンブルーメン,ハロルド J.レヴィット


 ホットグループという聞きなれない言葉、今回ご紹介する書籍「最強集団 ホットグループ 奇跡の法則」では、その定義を「ミッション至上主義集団」等々、さまざまな言葉で表しています。本書の編訳者、上田氏は、「ホットグループに相当する言葉は日本語にもない。強いていえば、荒ぶる魂であり、プロジェクトXである。」と表現しています。プロジェクトXといえば、さまざまな開発プロジェクトが直面した難問を、どのように克服して成功に至ったかを感動的に紹介するNHKのドキュメンタリー番組。なるほど、これに近いものかもしれません。

 本書の主張としては、急速な技術進歩と瞬時のコミュニケーションの時代たる今日、ホットグループこそが重要な役割を担うようになる、という前提にたち、そのホットグループがどのように社会で機能するかを解説することで、あたらな時代の人と組織について提言しよう、という意図が見て取れます(※あくまで私個人の感想です)。

 もしあなたの会社に「プロジェクトX」に出てくるようなチームがあったらどうでしょうか? 困難なプロジェクトを成功させるために寝食を忘れて奮闘する集団、もしそこまで達成意欲の高い人たちがいれば、会社の成長は半ば約束されたようなものかもしれません。
 
 さて、そのホットグループについて本書でいくつかの例が出てきていますが、そのグループの中に、下記のような共通するものがあったとのこと。
「●重要なミッションに携わるという誇りをもっていた。
 ●ミッションが支配していた。個々の人間関係はさほど重要ではなかった。
 ●活動期間は長くは無かった。しかし、メンバーにとってはいつまでもなつか
  しく輝かしい思い出となった。」

 著者は、ホットグループが新たな世界における組織のあり方において、大きな存在になると述べています。その理由として下記のように述べています。
「もはや、組織が永続すると考えることは間違いである。大半の組織は永続するどころか、人の寿命ほどももたなくなっている。組織は、環境の変化に対処するために、自己改革を常とする存在になろうとしている。組織自身が結合、分割、提携、吸収、スピンオフに前向きになっている。ホットグループは、そうした変化の振れ幅が大きな状況にぴったりである。」

 ホットグループの負の側面として、その性質から、自由と無秩序を必要とし、組織の中で孤立する傾向があり、そのために親組織と軋轢が生じやすい、とのこと。この問題に対して著者は、難しい問題だが、解決できないわけではない、としています。

「・・・相互依存関係にありながら、親組織のなかの各グループは対立と不信へと向かう。そのようなとき、ホットグループがその利点を発揮する。ホットグループは組織としては短命であって、異常なまでにミッションにコミットメントしている。そのため長々と対立している時間的余裕などない。
 ・・・(中略)・・・親組織のほうは、秩序や、先行きの透明性を維持したいという思いが強い。ホットグループのほうは、型にはまらず、独自のやり方を維持したいという思いが強い。しかし、双方が謙虚に少しばかり妥協することで、相互に利益がもたらされるはずである。」

 私がこの本の中で面白いと感じた点は、ホットグループという、経営手法でもなく個人のキャリア目標でもない概念をキーワードとしている点です。このホットグループは組織を活性化するだけでなく、組織で働く個のためのものである、と著者は主張しています。経営者から押し付けられたものではなく、労働者の自己満足でもない、このホットグループを育てることができれば、これからの変化の時代に対応できる、というわけです。

 ホットグループが現れやすい組織の傾向について、著者は次のように述べています。
「皮肉なことに、ミッション重視のホットグループは、ミッション重視の組織よりも人間重視の組織で生まれやすい。理由は簡単である。人を選ぶことに力を注ぎ、選んだ人に自由に動いてもらう組織では、自分たちでミッションを考えるグループを生じやすいからである。」

 本書の最後、「おわりに」の中で、著者はこう結んでいます。
「これからのグループは個にとってよいものとなる。健全かつ前向きの組織の礎石となる。そして組織は一人ひとりが冒険し、学び、自己研鑽することのできる知的にも心理的にも挑戦的なものとなる。
 ・・・(中略)・・・仕事はすべて、人にふさわしいものとして、人を高めるものになる。しかもそれらの仕事の多くは、ミッションに取り憑かれたホットグループが行う。つまるところ、ホットグループとは、新たな時代における人の心と組織のありようのことである。」

 今回、これでもかというくらいホットグループという言葉がでてきました。今後組織を考えるとき、この「ホットグループ」という概念を念頭に置きながら会社の取るべき戦略を考えていくことになるかもしれません。
posted by T.Sasaki at 22:29| 東京 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | ■理想の人事制度とは? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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Posted by アライドアーキテクツ株式会社清水 at 2007年04月04日 12:40
丁寧なコメントをいただき、誠に有難うございます。いただいたご提案はとても面白そうですね。検討いたします。情報有難うございました。
Posted by 佐々木(管理者) at 2007年04月26日 17:05
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