2007年03月06日

No.21【15秒でツカみ90秒でオトすアサーティブ交渉術】大串 亜由美[著]

「 この本を読んだ後、あなたに、こんな変化が生まれるかもしれません。
 ・相手の目を見て、自信を持って話すことができる。
 ・相手を叩きのめさず、自分も叩きのめされずに、交渉のテンポがつかめる。
 ・ここぞ!ということきに『恥ずかしい』と思わず、堂々と自分をアピールできる。
 ・苦手な相手とも、間を恐れず、落ち着いて話せる。
 ・誰に対しても、嫌なことを嫌と言える。
 ・部下、あるいは上司に、自分がして欲しいことを、して欲しいと言える。
 ・断られても、不必要に傷つくことなく、前進できる。
 ・上司と部下の関係を見つめ直し、社内のコミュニケーションが徐々に変わり始める。 」


 コミュニケーション能力。仕事において、これほど重要なものはありません。誰かに仕事を依頼したり、自分の企画を通すためのプレゼンをしたり。営業として商品を売り込んだり、また自分自身を短い時間で効果的にアピールする必要があったり。

 営業の場面だけに必要なわけではありません。人事労務に携わる方であれば、新しい人事評価制度、賃金制度の導入などの際、うまく意見を吸い上げたり、納得してもらえるよう説明したり等、コミュニケーション能力は必須です。発信するだけでなく、うまく受け取ることもコミュニケーションの能力です。

 今回はそのコミュニケーションの能力について、書籍のご紹介とともに学びたいと思います。まずは「アサーティブ交渉術」という言葉の意味ですが、著者は本書の中で次のように定義しています。

 「『アサーティブ交渉術』とは、相手から気持ちよく『YES!』をもらうコミュニケーションの方法。自分の仕事を、よりスムーズに、より効果的に進めるスキルです。」

 最初に著者から、本書のめざすゴール、「・・・発展的で、強調的な『自己主張力』、明日につながる関係を築く『すがすがしいコミュニケーション力』を身につける ─ 」 が示されます。そこに到達するためのには4つのポイント、1.『言い訳をしない』、2.『優先順位をつける』、3.『時間を区切る』、4.『きちんと言い切る』が必要とのこと。

 このポイントについて、この4つのポイントについて著者の大串氏は、「たったこれだけ?と思うかもしれません。でも実際は、たったこれだけのことが、なかなかできていないもの。そして、『たったこれだけのこと』ができれば、誰でも交渉の打率はあがります。」と語っています。

 また著者は、“アサーティブ”が単に主張を通すことではない、ということを次のように述べています。
 「・・・しなやかに「YES!」をもらい続ける人は、決して結論を急ぎません。そして、何がなんでも目の前の1勝にこだわるのではなく、発展的で協調的な ─ つまり、明日も笑顔で握手できるような関係を築き、トータルで交渉の打率を上げるのです。そのために、自分のメッセージをきちんと『聞いてもらえる話』にすることこそ、アサーティブ・コミュニケーションの基本です。相手が受け入れやすいよう、あなたの主張を曲げる必要はありません。・・」

 ではどのようにしたら“聞いてもらえる話”になるのでしょうか。著者は次のように述べています。
「話を聞いてもらうには、“相手が聞きたい話”をすること。そのためには、その人が聞いてうれしいと思う言葉、ドキッとする言葉を知らないと、聞いてもらうことはできません。
 つまり、聞いてもらい上手になるには、まず“聞き上手”になること。聞き上手になって、相手のことをよく知ることが重要です。『アクティブ・リスニング』(積極的、効果的に“聴く”スキル)とアサーティブな自己主張は、実は2つでワンセット。どちらが欠けても相手から「YES!」を引き出すことはできません。」

 仕事の場面では、“なんとしてでも今日、契約をもらわなければならない”というような緊張する商談もあります。多くの人はつい肩に力が入ってあせってしまい、こちらの意見ばかりをまくし立ててしまうのではないでしょうか。そんなときこそ、この考え方を利用し、あせらず相手の話をよく聴き、しっかりと主張し「YES!」を引き出すことが求められます。

 本書の題名に使われている15秒と90秒という数字について。15秒は「人が集中して聞くことのできる、ギリギリの長さ」。「この人の話を『聞いてて見たい』と思ってもらうには、実は15秒もあれば十分」とのこと。本書では実際に具体例を挙げながら15秒のツカみを学びます。そして実際に大串氏の15秒自己紹介もあり、なるほど、こうやって相手の心をツカむのかと参考になります。

 そして90秒。「15秒では話の“ツカみ”しかできませんが、90秒あれば、裏づけや理由を入れて話が相手の腑に落ちたり、あなたのストーリーの中に『自分がいる』と思ってもらえます」と大串氏はいいます。90秒スピーチのゴールは「相手の心に届く話しかけ(=トーク)を意識し」、「相手を巻き込んでいく」こと。

 これらのスピーチを学んでいく中で、アサーティブな交渉術を学んでいく、という構成になっています。印象に残ったのは「Win−Win」ポイントを探す、という考え方。「Win−Win」という考え方自体は広く知られていますが、実際にどのようにすればよいのか。著者は次のように言っています。

「人によって、求める『Win』は違います。交渉を進める際は、まず
 1.相手が求める『Win』を正しく理解すること。そして
 2.あなたの主張に対して相手が抱く『NO』の理由と、『YES』の条件を、明らかにすること
が大切です。」

 この考え方は、相手に「NO」を伝えるときにも出てきます。「反論もメリットがなければ聞いてもらえない」とのこと。最初に学んだように、単に主張を通すことが目的ではなく、あくまで「発展的で協調的な」関係を築くことがアサーティブの目的ですから、反対意見を述べるときにもその基本が貫かれる、というわけです。

 「アサーティブ・コミュニケーションには、明日から、すぐに使える道具があります」という著者の言葉どおり、本書で紹介されている考え方は実践的で、実際の仕事の場面ですぐに活用することが可能です。また、数多くの研修を行う著者の文章は非常にわかりやすく、なるほどと思わせます。

 著者の言うとおり、本書で学んだことを実際の仕事の場面で活かし、「すがすがしいコミュニケーション力」を身につけていきましょう。

posted by T.Sasaki at 17:02| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | ■自己啓発ならこの本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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